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サントリーフーズ様は、年間約13,000件の販促品の購買を行っています。従来は総務部が中心となり、紙ベースでの業務スタイルでした。そのため、二重入力などの工数やミスの多さが解決すべき課題になっていました。脱メインフレームを目指して基幹システム再構築を進めると同時に、営業物品(販促品)購買システムの改革に着手。多面的な視点で検討の結果、ASPサービスの利用を決断し、NECプレオマート社の「PLEOMART/PS」を選定され、NECはプロジェクト体制の総合窓口として支えました。これによって、作業工数の削減、ミス発生の防止を実現し、さらには納期・検収・実績管理面での効果にも期待をされています。今後は、グループ会社のペプシ販売会社にも展開を進められる計画です。サントリーフーズ株式会社 情報システム部長 中川 尚 氏にお話を伺いました。
-最初にサントリー様とサントリーフーズ様の業務について教えてください。
中川氏:サントリーが商品開発、生産、宣伝を担当しています。当社は、流通業者様向けに清涼飲料等の販売活動・販促活動を行っています。
また、私共情報システム部については、主にサントリーフーズのハードウェア、ソフトウェアの調達、開発、運用業務を担っています。これとは別にサントリーの組織として情報システム事業部があり、サントリーの情報システムだけでなくグループ全体のシステムを統括し、グループ経営強化に向けたITガバナンス機能を担っています。
-販売活動で必要な営業物品とはどのようなものですか。
中川氏:販売活動を行う上で使う販売促進用の物品のことを当社では「営業物品」と呼んでいますが、大きく分けると恒常的に使う「定番品」と、キャンペーンなどを行う際にスポット的に使う「特注品」の2つがあります。「定番品」には、紙コップや空き缶入れ、グラス、ベンチ、手提げ紙袋、のぼり旗などがあり、一方、「特注品」にはPOP類、景品、チラシなどがあります。
これらの物品の発注は、年間約13,000件、金額にして30億円ほどありますが、業務処理量としては、比較的小規模な業務です。
-従来はどのように営業物品の購買業務を行っていたのでしょうか。
中川氏:従来は、基本的に紙ベースでのやり取りを行っていました。まず営業拠点が必要とする営業物品の発注書を起票し、上長の承認を受けた上で総務部にFAX送信します。総務部門は各拠点からの発注書を受け、システムにインプットして注文書をアウトプットし、FAXや郵送で仕入先に送付します。仕入先は注文を受け、総務部に納期回答をし、営業物品を当社の得意先小売店や卸店、各拠点や営業倉庫に向けて出荷します。仕入先は納品後に専用帳票で総務部へFAXで納品連絡を行います。総務部はこの帳票をもとに検収入力をします。その後、仕入先は請求書を作成し総務部に郵送します。総務部では手計算で専用帳票と請求書を照合し、支払いを行います。
-営業物品の購買業務での課題についてお聞かせください。
中川氏:この業務の流れで課題となっていたのは、大きく2つありました。1つは、紙中心の事務手続きのため、保管・印刷・郵送などの作業工数が多いことです。そして、もう1つはデータ連携していないため、再入力・手計算があり、どうしてもミスが発生することです。
ところが、営業物品の業務処理件数が比較的に少ないことから購買システムの見直しが遅れ、この発注業務スタイルを17年間にわたって続けていました。そこで、これらの課題を解決するため、営業物品購買システムの再構築を含めた、購買業務改革の取り組みをスタートしました。
-これらの課題をシステムでどのように解決しようとされたのでしょうか?
中川氏:購買業務の流れで、システム化により確実に効果が見込める作業から検討しました。まず拠点からの問合せ対応では、発注時の在庫確認や納期確認作業、次に総務部の発注業務では、注文書作成時の入力・印刷・郵送作業、検収業務での書類のファイリング・保管作業、請求業務では業者発行の請求書の検算・集計・支払作業です。
そこで、営業物品購買業務のシステム導入によって、発注から受注、出荷、検収、請求、支払までの過程における電子保存と自動集計・計算によって、作業ミスの軽減と無駄なプロセスを排除することを基本方針としました。
具体的には二重入力の工程や不必要な紙面の回付・ファイリングの排除、金額計算・集計のシステム化により、業務時間の短縮と作業ミスの軽減を図ることにしました。
-システム化にあたり、現状の情報システムで十分に対応可能だったのでしょうか。
中川氏:社内情報システムに関しても課題がありました。それは、サントリーフーズ専用のメインフレーム、サーバ、サントリーとサントリーフーズ共通サーバという3種類のプラットフォームがあり、長年にわたり使用するうちに継ぎはぎで複雑なシステム構成になっていたことです。そのため、ユーザの使い勝手が悪く、開発の生産性が低く、運用コストがかかるなどの問題点がありました。
そこで、現在2007年上期に向け“脱メインフレーム”を目指して基幹システム再構築を進めています。すでに主要機能の再構築はほぼ完了しており、この再構築によってコスト革新、生産性向上、フレキシビリティ向上を実現する計画です。購買システムもメインフレームで稼働しており、再構築の対象となっていました。コスト削減については、2008年では2004年に比較して22%の情報システムの費用削減を見込んでいます。
-営業物品購買業務のシステム改革をどのように進められましたか。
中川氏:社内プロジェクトは、主管部門は「総務部」、システム開発は「情報システム部」、インフラについては共通インフラなので「サントリー情報システム事業部」のサポートを得て、「ユーザ部門」と「会計管理部門」を交えて進めました。
システム要件策定からベンダ選定まで4カ月かけました。内訳は、システム要件策定、全機能を自社開発した場合のコストやROI試算など投資効果検討、ASPサービスの検討開始までに2カ月、RFI作成とFIT/GAP確認、ASP課題抽出に1カ月、RFPからベンダ選定までに1カ月です。この過程では、まず自社開発かASPサービスを利用するか、ASPサービスの場合にどのベンダを選定するかがポイントになります。
-ASPサービスを選定した理由をお聞かせください。
中川氏:サントリーグループでは、システム投資判断基準を設けています。ROIによる成果評価と業務処理単価によるコスト評価の2点で、成果とコスト両方の目標を達成すればシステム開発を検討します。今回、自社開発かASPサービスの選択でも、この投資判断基準に基づき成果とコストを比較し、ASPサービスを選択しました。業務面においても、従来の購買業務に十分対応できると判断しました。
-ベンダ選定の決め手となったポイントをお聞かせください。
中川氏:最初にヒアリングしたASPサービスでは業務要件をカバーできなかったため、複数のベンダでRFIを実施し、さらに最適な解を導き出すために3社にRFPを提示しました。
その結果、機能面では要件をアドオンを含めて網羅でき、画面・システム操作性などにおいて、他社と比べてビジネス利用に適している点、提案面では販促物品購買という特性に対する理解度が高いこと、費用面ではアドオン機能を複数企業で利用し、かわりに応分負担とする提案などを総合判断し、NECプレオマート社「PLEOMART/PS」を選定しました。
-導入はどのように推進されたのでしょうか。
中川氏:当社・仕入先ともブラウザのみ用意すればASPサービスを利用できますが、「PLEOMART/PS」からの請求対象データの利用にあたって、財務会計・管理会計システムとの連携部分を自社環境内に開発しました。
プロジェクト体制の総合窓口はNECが担当し、ASPサービス提供元はNECプレオマート社、社内連携システムの開発は住商情報システムが担当しました。スケジュールは、ベンダ決定が2006年1月半ば、要求分析・プロトタイピング、アドオン開発と進め、ASPシステム全体テストでの機能確認は7月半ばに行い、9月半ばには発注機能が稼働しました。別途行った社内新規システム開発と既存システム連携を併せて、請求検収まで稼働したのが、10月からになります。
運用開始にあたっては、利用部門及び仕入先に対して十分な事前説明会を実施しました。また、日常のシステム操作・ASPシステムのトラブルについてはNECプレオマート社に依頼しました。このサポートは手厚く丁寧に対応していただいています。
-ASPサービス導入後、どのように業務スタイルが変わりましたか。
中川氏:新しい業務スタイルでは、従来の紙ベースではなく、Webベースでの入力・確認作業が行えるようになりました。その結果、再入力の排除や、自動計算による作業工数低減を実現することができました。紙が残っているのは、仕入先からの納品連絡と請求書ですが、請求額そのものは「PLEOMART/PS」の請求データから自動計算されますので、ミスも発生しません。
-本格稼働して間もないところですが、得られる効果への期待はいかがでしょうか。
中川氏:今後の効果については、納期管理、検収管理、実績管理の3つの管理側面での効果に期待をしています。
まず納期管理では、標準納期の表示により問合せ対応の削減があります。
次に検収管理では、当社が入力した検収情報を仕入先がWebで閲覧が可能になり、請求対象データをWebからダウンロードすることによって請求処理が簡略化できます。
3つめの実績管理では、販促品を誰が、いつ、何を、いくつ要求し、承認、検収したか、その販促品がどの商品、どのキャンペーン、どのチェーンに利用されたかの実績管理が可能になります。この見える化によって無駄をなくす効果が出てくると期待しています。
また、業務に要する時間も80%削減できると試算しています。さらに運用に関しても、メインフレームの運用コスト、通信費用、専用帳票の廃止などのコストが浮くものと考えています。
-システム面から見たASPシステム導入に対する評価はいかがですか。
中川氏:開発期間については、プロトタイピング手法で利用者に直接確認したことや、基本機能のギャップも早期に対処したことで、稼働日程に影響はありませんでした。人員コストについては、主管部署とシステム担当がともに業務兼任で行うことが出来ました。
業務改革については、ASPシステムでの作り込みに限界があったため、特殊な業務運用の改革にも着手し、結果的に業務をスリム化することが出来ました。
自社業務にFITするサービスにたどり着くまでに時間がかかったことや、当初の想定よりもアドオンの範囲が増えたこと、インターフェイスなどに割り切りが必要だがユーザの理解を得るのに時間がかかるといった側面もありましたが、全体として満足できるシステムであり、今後は運用の安定に力を注いでいきたいと考えています。
-将来的なご計画については、どのような構想をお持ちですか。
中川氏:今後は、当社で実施した営業物品購買業務システムを、販売活動を担っているサントリーグループ会社のペプシコーラ販売会社の各拠点にも展開していきたいと考えています。
-ありがとうございました。
設立
1972年2月17日
本社所在地
東京都港区台場2丁目3番3号
資本金
1,000百万円
売上高
522,600百万円(2006年12月期)
従業員数
1,077名(2006年12月)
URL
http://www.suntoryfoods.co.jp/
コーポレートメッセージ「水と生きるSUNTORY」を支える多彩な商品ラインアップ